チャットボーイ☆ミーツボーイ

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衣服の乱れを整えてゴミ箱とティッシュを片付けてからカメラの前に座った。前田さん専用の玩具は準備してある。少し前の荒ぶりも忘れたように微笑む。 「前田さんこんばんわ」 前田さんは既婚者なのでネカフェかホテルのような個室で申請してくる。年齢も50代で朔也のお客さんの中では1番年齢が高い。見た目は金持ちのイケオジ風だ。口調は穏やかで優しいが、させることには容赦がない。 「サクラちゃん元気?」 「はい。前田さんは?」 「元気だよ……今日は出張先のホテルから電話しているんだ」 スマートフォンで繋いでいるのだろう。 「いつもありがとうございます」 「準備はしているかな?」 当然、準備はしている。お客さんの前で脱糞する訳にはいかない。浣腸して白色ワセリンで柔らかく解している。 「大丈夫です」 「前でイケないようにそこを縛って」 前田さんは静かに言った。朔也は擦って軽く勃たせてから根元を紐で縛った。 その一部始終を画面に晒している。 「後ろを指で慣らしてごらん」 全てが見えるように四つん這いでカメラに尻をむける。それは何度も躾られたので当たり前のようにできる。潤滑剤をチューブから取って後ろに塗りなぞる。自分の中指をゆっくりと差し込む。分かっていてもそこに力が入ってしまう。 「中はどんな感じだい?」 「あつい……です」 「君の反応はいつ見ても新鮮だ……指を増やして動かしてみて」 人差し指を増やして続ける。ワセリンと潤滑剤のジェルの相乗効果でキツいそこはクチュクチュと卑猥な音をたてる。耳を楽しませる為にジェルは割と多めに使う。多すぎると自分自身の感度は下がるがそれは致し方がない。 「んっ……」 自分の体の中にあるその場所を朔也はすぐに見つける事ができる。何度も何度も触ったからだ。 「そこをどうして欲しい?」 卑猥な声が耳から股の間に響く。 「前田さんの……」 「僕の何?」 口に出す事をはばかられる単語を言えないでいると、こう命じられる。 「僕のちんぽ入れて欲しいんでしょ?僕にちゃんとお願いしなくちゃね」 男性器を意味す言葉は何種類かあるがこの言葉が一番、下品で卑猥な気がする。何度も口にする事を迫られるが全然慣れない。しかも実際に前田さんのものが入れられる訳もなく、そこに収まるのはプレゼントされたマシンバイブである。100歩譲って本物ならもっと感情移入できたのかも知れない。シラけそうになる頭の中を朔也は奮い立たせる。ここで言わなければがっかりされる。二度と仕事はもらえなくなる。 「前田さんの……ちっ…ちんぽ入れてください」 しりすぼみになる言葉。 前田さんは咀嚼するように間を置いてからこう言った。 「僕のちんぽをどこに入れてほしいんだい?」 グファッと吐血してしまいそうだった。 「許して……それを言わせないで」 これが前田さんの劣情を煽るだけだとしても懇願せずにいられない。 「ダメだよ……ちゃんと言わなきゃ入れてあげないよ」 それはあんたのものじゃないし、入れなくていいと叫びたかったが、朔也は覚悟を決めた。 「前田さんのちんぽを僕の…僕のおしりに入れてください」 前田さんがフッと笑った。 「おしりじゃわからないだろ……ケツマンコにぶち込んで下さいだろう?」 下卑た最悪な俗称。前田さんは許さない。身悶えして恥ずかしがる朔也を見たいのだ。 「前田さんのちんぽを僕のケツマンコにぶち込んでください!」 叫ぶように言った。 前田さんが自分のスラックスから性器を取り出す。まさにちんぽと言うに相応しい卑猥で醜悪なものが画面半分に映し出されている。 クマのぬいぐるみの上に乗ってマシンバイブの先端を窄まりに当てがった。念の為にマシンの先にたっぷりと潤滑剤を垂らす。 それから低速でゆっくり抽挿させる。腰を浮かせてオモチャの先で浅い場所の前立腺を探る。少し慣れてきたら中速にシフトする。当たるとキュンキュンと下腹も同時に疼く。前は縛っているから快感が逃げない。 「ああっっ……きもちいいっっ…」 朔也は腰を押し付ける。 「淫乱だな……自分の姿をよく見なさい!」 画面は二分割で自分の醜態も写っている。 みっともなく開かれた足の間に抽挿するマシン。 見たくないのに見ると興奮する。 規則的な速度で大きな音をたてながら出たり入ったりする。 「ヤダっもうっっ……たすけてっっ………」 「自分の姿をもっと見なさい!」 「いやっっ!くるしいっっ!!イかせてっっ!」 「苦しくても中でいくんだよ!」 出られなくなった快感の渦が朔也の中ではじけた。 イク時は必ず言うように躾られている。 「もうっ!いっくっっっ!!」 目の前がチカチカする。 後の祭りのように虚しくマシンの音が響く。 朔也はマシンのスイッチを切った。 前田さんも朔也の醜態を見ながら果てたようだった。 「サクラちゃん、今日もありがとう……ちゃんと服を着て寝るんだよ」 「はい……ありがとうございます」 やっとの思いで涙声になりながら返した。
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