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 躊躇いの表情を見せるが、5分もするとパッと顔を上げた。どうやら話す決心がついたらしい。 手を握り肩に顔を埋めてくる。  その間彼は生徒会長の髪を梳き続けている。 「っ…、ご、強姦…未遂にあった。――付き纏われ、妄言を吐かれた。風紀委員会が知らせてきた者に箝口令を敷いたが、そもそも俺が襲われただなんて噂誰も信じなかったのも事実だ」 「あいつ人でなしにも程があるだろう!  てかっ! 三週間もここで良く昼寝していたな」  なんて彼は図星をつくと、生徒会長はいつの間にか繋いでいたどころか、恋人繋ぎになっている手に力を入れる。 「ここにいると守られているようで安心できた。部屋では恐怖で眠れなくてだな…」 「はぁ…。生徒会長なんていう雲の上のような高貴な男が、こんな可愛らしいだなんてなぁ…」  キューピットの矢のごとく、一つ一つの動作に心打たれる彼は苦笑いを浮かべる。 (これは生徒会長にいつの間にか惹かれたかな?)  しかし、彼から告白をする気は無いらしい。というのも、本命からはするよりされる方が好きだからだ。ということで、押しに行くらしい。何とか政治だの何とか様だの言えばいい、誰かにお前のほうが王道の何様俺様生徒会長様なんじゃ? というツッコミも聴き流せるほどには、自身の性格を自覚している彼である。 「さて、どうしたい?」 「ぇ…、一緒に、いたい…」 「唐突だな。良いけど」 「えっ、ぁ、ぇ…」  普段の自信にみなぎっているオーラは何処へやら。狼狽えているのか目だけがキョロキョロと泳ぐ。面白い光景だなと失笑し落ち着くように頭を撫でる。そう、彼は確信していた。生徒会長も同じ気持ちだということに。 「気づいたら恋をしていた。俺とけ、結婚してくれ!」 「もちろんだ」  ついに目に涙をためるほどに爆笑していまうが、生徒会長は感極まったのか泣いている。 「しかしまさか結婚してくれ…か、とりあえず三年付き合って考えようなー?ほら帝王と呼ばれし生徒会長様、泣くなー」  シャクリ上げるほど号泣する生徒会長に流石に心配になり、背中を撫でつつ顔を覗き込む。 (恋愛モノだとここでキスをすると泣き止んでたっけかな)  ふざけたことを考えつつも、額にキスを落とす。驚いたのか顔を上げた生徒会長に彼は一気に唇を奪う。 「ふぅ、ん…」  驚いたのか開いた口からふざけて舌を入れたが、思いもよらぬ甘い声が生徒会長からあがり、名残惜しくも流石にチュッと音を立てながらも口を離す。 「こ、腰が抜けたぞ!」  頬が上気し潤んだ瞳の効果で、いつものような威厳も迫力はないが、怒るように睨まれ微笑み返す。 「あちゃぁ。じゃ、しばらくいるか。上もあんな状態じゃ自習だろう」
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