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(暑いよな?何か飲み物でも買ってくるか)
腕時計で時間を確認し、飲み物を買うべく一番近い自販機へと出かける。
スポーツドリンクを選ぶ。
(アクエリ、ポカリ、ダカラ…)
彼は一瞬迷うが自身のおすすめである、アクエリアスのボタンを押し落ちてきた物を拾い上げる。
(起きているようだったら教室に戻ろう。関わりたいわけではないわけであるし)
なんてのんきに考える彼はもう一度秘密基地へと戻る。
戻ってきたが起きた気配も起きる気配もなく、机に「良ければどうぞ」と書いた付箋を置き、濡れるのも構わずその上にペットボトルを容赦なく置いた。
長い休み時間はしばらく続くので、寝息を立て起きそうもない生徒会長をじっくりと観察する。
普段近づくことのできない生徒で、同性でも見惚れてしまうほどのイケメンに、興味が勝り腕を伸ばす。
顔にかかった彼自身と同じ黒い髪を一摘み優しく持ち上げ後ろに避ける。そのまま起きる可能性も考えに入れつつ、髪を梳くように優しく撫でる。
柔らかくしっかりした髪に予想道理だと一人微笑み、満足げな表情で立ち上がる。
(ここで警戒心なく一人で寝落ちているのが悪い。遭遇するのは今日だけだろう)
彼は心のなかで言い訳をする。
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