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 彼は日課である散歩に出る事にした。 廊下の床を見るように歩く姿は、鬱陶しい整えていない髪も相まって、周りは嫌厭どころか視界に入れず避けていくように歩く。  人間不快なものには近づかない。よくある事だ。しかし普通の学生と違ってその内容でのいじめが起きないことは、彼にとっては楽であった。  とは言っても、顔が良いだの、役職がどうの家柄がどうのと、いわばアイドルのような人気者に近づいた場合のいじめ、否制裁はひどいものだった。  彼は知ったことかとスーパーのような売店へと向かう。 初めて食堂に行ったとき不快な思いを抱いたことに嫌気が差し、人知れず外で食べるようになっていた。不快な思いとはなにか、親衛隊というよく分からない集団の声が不愉快だった。しかし誰も騒音の中、一人で飯を食べたいとは思わないだろう。  人知れず校舎裏に回ると目的地のある場所へと向かう彼。 彼はふと見つけたときのことを思い出す。
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