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二
「ついに今日でありんすな」
「はい」
「蛍火ちゃん、固まりすぎでありんす」
美鳥は笑った。一方の蛍火は立ったり座ったり、水を飲んだりと落ち着かない。
「ちょっと外へ」
仕舞いには店の外へ出て行ってしまった。
「蛍火! 逃げるのか!?」
遣り手がすぐさま追いかけるが蛍火は両の手を合わせた。
「神社に行くだけでありんす。知っていんしょう? わっちが何かあると神社にいく癖があるのを」
遣り手は睨むように難しい顔をした。
「このとおり。絶対に足抜けはいたしんせん」
「……日が暮れるまでには帰ってくるんだよ」
そう言うと遣り手は踵を返し店へと戻って行った。
蛍火は胸に手をやると歩き出した。
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