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中を覗こうとすると、ドンッ!と誰かに背中を押され、私は何故か蓋のなくなっている井戸に突き落とされた。
頬に当たる冷たい風。それが熱風に変わる。
私は混乱したまま真っ暗な中落ちていると、突然目の前が真っ白になるほど眩しい世界に包まれた。
気が付けば広い、宮廷のような場所で椅子に座らされていて、私の周りを古代中国の官僚が来ていたような服を着ている大人達が取り囲んでいた。
おおお!めでたい!!
いつぶりになるのか!
やっとじゃ!
周囲は大騒ぎで喜び、私はただぽかんと座っていた。
その輪の中から、身長がとても高い若い男性が現れた。年の頃は20代に見える。
服は、平安時代に着ていそうな着物。目の細い、でも割と整った顔の男性が。
「お待ちしていました。出雲 小夜子殿」
その男性が私に軽く頭を下げるが、なんで初対面の相手に自分の名前をそれもフルネームで呼ばれているのかわからない。
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