第一章 ようこそ、地獄の閻魔庁へ

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逃げられないかきょろきょろしても、だだっ広い部屋にいるようでここから逃げたとして本当にここが地獄なら私が元世界に戻る方法なんて・・・・・・いや、もしや私は死んだの? 実は地獄に落ちてこれも何かの試練とかそういう、とぶつぶつ考え込んでいたら名前を何度も呼ばれていたことに気が付いた。 「小夜子さん、まずは大丈夫です、生きていますよ」 ほ、としたのもつかの間、この流れはまずいのではと第六感が反応している。 「先ほどの問題をクリアできればお受けして頂けますか?」 「地獄って英語やカタカナ語、使うんですね」 全く違う話題を差し込んだ私に篁さんはにこりと笑うと、 「他の国の言葉も全て対応できますが、この後はイタリア語でお話ししましょうか?」 「日本語でお願いします」 だめだ、この人間違いなく性格が悪そうだ。 私は警戒しながら篁さんを見る。
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