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「小夜子殿の心配事はこちらで全て片付けることが出来ます。
大船に乗った気持ちで是非京都へ」
笑顔で言われて、さすがにむっとした私は椅子から立ち上がった。
「さっきから一体何なんですか?!
勝手に井戸に突き落として地獄に引きずり込んでおいて、帰りたければ要求を飲め、とばかりに!
完全に脅迫じゃ無いですか!
どう考えたって、はい、受けます、なんて気持ちよく言えるわけが無いでしょ!」
私の声が想像以上にこの広い部屋に響き渡り、大人の男性達は目を丸くして私を見ている。
そこに、可愛い女の子の豪快な笑い声が響き、突然人々が頭を下げその間を女の子が歩いてきた。
帯に袴、大学の卒業生が着そうな和服の子供版にみえる黄色の着物に、艶々の肩くらいの黒髪、黒目の大きな小学校高学年くらいの女の子が。
私の前に来るとにこっと笑う。
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