第一章 ようこそ、地獄の閻魔庁へ

20/54
前へ
/264ページ
次へ
「少しは落ち着きましたか?」 「はぁ」 笑顔の篁さんが、閻魔大王と名乗る女の子の横から声をかけた。 何故かいつの間にか私の前に二客椅子があり、目の前に少女、隣に篁さんが座り、その後ろに大人達がわさわさと立っている。 「この話し、お引き受けしては頂けませんか?」 「無理です。私にそんなたいそうな事はできません。 それに東京の大学に進みたいんです。家もそんなに裕福じゃ無いですし」 今の大学の学費は馬鹿にならない。 受験料も高いから受けるのは最小限にしたいし、ランクも安全なとこと、少しレベルの良いとこも受けたいが、そうだとしても出来るだけ学費の安いところが良い。 実家にいればその分生活費も浮く。 バイトだってやりやすいし、それが堅実的だ。一人暮らしに憧れはするけれども。
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1352人が本棚に入れています
本棚に追加