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私は流されないよう必死に真に受けては駄目だと抗おうとするのに、心の中で芽生えだしてしまった。
京都に来て閻魔庁のバイトをすれば、知らない世界に触れられ、そして私の理想を全て叶えた素敵な人に出会える。
それが魅力的じゃ無いなんて、どうすれば思えるだろうか。
「・・・・・・私は今高校生で、大学生になってからだとしても、そんな人の人生に左右出来るような大きな事に携われるような立派な人間になれているとは思いません。
それは亡者の皆様に失礼なのでは無いでしょうか」
これは本音だった。
死んだ後、訳わからない小娘が自分の人生を、死後を左右する。
私だったら嫌だ。
だが閻魔大王と篁さんは顔を見合わせ、私に優しく笑みを向けた。
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