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ーーピンポンパンポーン
『落とし物のお知らせです。首に赤いリボンを巻いた”ラビ”という名の、白いウサギのぬいぐるみを預かっております。持ち主はシホ様。落とし物センターまでお越しください。繰り返しますーー』
続けて、ハンカチやタオル、水筒などの落とし物についても放送する。
この辺りは、名前がついているものはほとんどなく、持ち主の名前も教えてくれない。持ち主の名前が書かれている場合はそれを読む。
多くはその物の特徴を上げていくことになるけれど。
『こいつらは何だ?』
放送を終えて、落とし物の回収に向かった茜崎さんと入れ替わるようにセンターで留守番をしていると、ラビが静かに訊ねた。
ラビの言う「こいつら」とは、落とし物たちのことだろう。
「それはね、持ち主が迎えに来てくれなかった子たちよ」
『捨てられたのか?』
不安なのよね、きっと。
「園内で買ったものは、持ち主も分からなかったりするのよ。名前が書かれているわけでもないからね」
ラビはしばらくぬいぐるみを見つめ、ポツリと呟く。
『ずっとここにいるのか?』
「……ずっとはいないわ。しばらくすれば……処分ね」
それっきり、ラビは黙り込んでしまった。今の言い方は、ぬいぐるみには刺激が強かったかしら。
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