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4月:いつもの日常
「もういやだぁぁぁぁ!!!」
午前8時になったばかりの生徒会室の中で、ある男子生徒が突然叫び出した。
「エルちゃんどうしたの〜?」
と、綺麗なブロンドの男子生徒が問いかけると彼は若干涙目で振り向き、
「また…靴箱に入ってたんです…」
と言ってブロンドの男子生徒に何枚かの綺麗な封筒を手渡した。
「あー、またきたの? じゃあちょっと見せてもらうね〜。……うわぁ今回もすごいねぇ」
「これほんとどうにかなりませんかね……。朝学校に来て靴箱開けてこれがあると気分がどん底に落ちるんですよ…。」
「そりゃそうだよね〜。朝から会長とエルちゃんのどぎつい濡れ場の絵なんか見たら死にたくもなるよね〜」
「おいそれはどういう意味だ」
「ほんとそうなんですよね……僕はノーマルだって公言してるのに……。 しかもよりによって会長とか……」
「おい」
「……エルちゃん…可哀想に……。 …そうだ! 英斗ってさ〜、そういう男同士の絡み見るの好きだったよね〜? もしかしたらその絵見せたら誰が書いてるのか特定できるんじゃな〜い?」
「…あ、或人…君はもしかして…て、天才だったんですか……!? 確かに英斗は校内のBL情報に関しては気持ち悪いほど精通してますもんね! よし! 教室に行ったら相談してみます!」
悩み事の解決策が出たので2人の男子生徒はのんびり紅茶を飲み始めた。
「おいお前ら…この俺を無視とはいい度胸してんなァ…?」
「なんなの〜会長?」
「うるさいんですけど」
「うるせぇのはテメェらだよ。 なんの話してたんだ言ってみろ。」
「もうその話は終わったので蒸し返さないでくれません?」
「なんだお前今日はいつにも増してツンツンしてんな」
「違いますよ、バ会長に一から説明してあげる時間がもったいないんですよ」
「おうテメェ表出ろ」
「こら!2人とも喧嘩しちゃだめでしょー!ほらもうSHR始まっちゃうから行くよエルちゃん!」
「ほらバ会長のせいで或人に怒られたじゃないですか」
「いやどう考えても俺に非はない。俺はお前の巻き添え食らったんだよ。さっさと俺に謝れ」
「いいかげんにしなさーーい!2人とも悪かったに決まってるでしょ!責任の押し付け合いしないの!」
ブロンドの男子生徒がキレたことで、この不毛な争いは両者引き分けで終わりを迎えた。
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