4月:いつもの日常

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* 俺、月嶺(ツキミネ) 珱琉(エル)は最近悩みを抱えていた。それは、毎日靴箱に俺と俺の知り合いの濡れ場が描かれた絵が入れられている事だ。 誰だ今大したことないじゃんって思ったヤツは。先生怒らないから挙手しなさい。 これ実は結構ダメージが大きいんだよ。こんな変なテンションになっちゃうくらいには。 だから絶対犯人を捕らえてこの悪行をやめさせてやる。穏便に平和的解決と行きたいところだが、何発かは殴らせてほしい。 「ほらエルちゃん顔怖いよ〜? 麗しの副会長様がそんな顔してちゃみんなびっくりしちゃうよ〜」 今俺に話しかけてきたのは、生徒会室にいたブロンドの男子生徒。 聖蘭学園生徒会・会計の玖珂(クガ) 或人(アルヒト)である。 綺麗なブロンドの髪はお洒落にセットされており、真夏の青空のような碧眼を持つので、一部の生徒からは太陽のようだと讃えられている。 そのため、彼は《陽煌の君》《金烏》様といった二つ名を持っている。 その見た目と、ちょっと性に奔放な部分があるためか、一般生徒からは 「チャラ男会計」 という認識をされている。 しかし実際、彼はハーフなので髪と目は自前だし、まあ下半身はゆるいけどチャラ男と呼ばれるほどではないと思う。 彼の親衛隊はほぼ全員が彼に抱かれたくて入隊しているんだから完全に同意の元での行為だし。 彼とは2年連続同じクラスで、気心知れた仲である。 下半身がゆるいけど優しいし、話してて楽しいし、とても良い友人だ。下半身はゆるいけど。 「大丈夫ですよ。或人の陰に隠れますから」 「俺らが一緒にいると視線の数と熱量が格段に増えるの忘れちゃったの〜?」 そうだった忘れてた。危ない危ない。 俺は一応生徒会副会長やってるし、或人は会計やってるから、普段からたくさんの視線を浴びてるんだけど、やっぱり2人揃うと視線が桁違いだな。 めちゃめちゃガン見されるのは俺らのもつ色彩が原因だ。 俺はシルバーブロンドに薄紫の目で、苗字に月が入ってるから"月" 或人は金髪碧眼で眩しい色彩だから"太陽" 俺たちは2人まとめて《太陽と月》と呼ばれており、それを表す四字熟語の金烏玉兎から《金烏》様、《玉兎》様なんて呼ばれたりもする。 ちなみに今も周りから「太陽と月のお二人だ!」「金烏様ァァァ」「玉兎様こっち向いてぇぇぇ」とか言ってるのが聞こえてくる。 ちなみに俺は《玉兎》様の他に《月詠》様という二つ名も持ってる。 でも正直に言うと、二つ名とか厨二病っぽくて恥ずかしいから役職名か名前で呼んで欲しいと思ってる。 「すっかり忘れてました。人が増えてきたので急ぎましょうか。」
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