4月:いつもの日常

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特別席とは、とあるランキングで20位以内に入った者のみが利用できる場所である。 そのランキングとは 【抱かれたい男ランキング】(通称:タチランク) 【抱きたい男ランキング】(通称:ネコランク) の二つのことだ。 このランキングは年度末に広報委員会主催で開催され、全生徒からの投票で順位が決められる。 俺が副会長をやっているのはこのランキングが原因だ。 俺はネコランク1位という不名誉な称号を得てしまったがために、生徒会入り、それも副会長というポストにつくことを余儀なくされた。 このランキングは生徒会総選挙の役割も兼ねているため、タチランク1位は会長に、ネコランク1位は副会長になる事が伝統となっているらしい。 他の生徒会役員も上位ランカーが集められている。 余談だが、今年はたまたま風紀委員長がタチランク2位の方、風紀副委員長がネコランク2位の方であるため、生徒会と風紀は仲が悪いと一般生徒に噂されている。 そしてそれ以外の上位ランカーの人達も、多くの人が「役職持ち」としてなんらかの重要なポストについている。 つまり、このランキングで上位に入った者は学園の中心人物、すなわち特別生徒となることが決定している。 だから一般生徒は彼らに憧れ、親衛隊を結成したり上位ランカーになるために努力を惜しまなかったりしているのだが、俺は声を大にして言いたい。 特別生徒はヤバい人の集まりだから! 神々しさとか欠片もないから! 確かに抱きたい・抱かれたいランキングで上位に入るだけあって、みんな見た目はとても整っている。 しかし、口を開けば魅力も半減。 まともな人は少ししかいない。 本当に顔面詐欺だと思う。 そんな個性豊かな特別生徒たちは、大体の人が二つ名を持っている。 いつの間にか勝手に二つ名をつけられて勝手に呼ばれているので誰が考案しているのかは分からない。 でも英斗は誰がつけているのか知っているらしい。 ランキングが発表された時、「俺はちゃんと弁えているからな…! 俺には二つ名などいらん! もったいない!」とか叫んでどこかに走っていった。 そして今に至るまで奴が二つ名で呼ばれているところを見たことないから、あの時作者に直談判しに行ったのだろう。 俺もいつか《夢幻》様という二つ名を作った人と語り合いたい。 玲於の可愛さと玲於のキュートさと玲於の可愛さについて。
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