プロローグ 終わってしまった日常

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 そのライブが行われている日は、よりいっそうテンションが上がって、全力で駅から出てきたのに、そこからまた目一杯の力で走り出して目的地へ向かったものだった。  重い荷物もなんのその。肩に担いだバッグの中には、まさしく俺の夢が詰まっていると言ってよかった。  実際に入っていたのはジャージにユニフォーム、それにシューズやすね当てや、あとはドリンク、着替えなどといった他愛もないものだったが、それでも中学生の俺にとって、これらは間違いなく自分の夢の形そのものだった。  何を隠そう、俺は生粋のサッカー少年だったのだ。  目指した先は、駅近くの運動施設だ。そこではサッカーの練習が行われている。  だから俺は、朝練をして学校での授業を終え、そのあとのサッカー部の練習もこなすと、こうして毎日駅に降り立ち、また夜の練習へ向かうという希有な生活を続けていた。  大変だなんて、一度も思ったことはなかった。早起きも遅くまでの練習も、何の苦にもならなかった。
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