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「全てのものにユエは宿っている……だからこの野菜炒めにも、いや、元となった食材にもユエはある。けど、その量がものすごく少なかった、ってことか?」
「その通りね」
つまり、アオのこの野菜炒めへの感想をより正確にするなら「味はいい。が、ユエの摂取はできない」か。
俺とアオは、まるでそういう機械になったかのように、ちょびちょびちょびちょび野菜炒めを食している。空腹だからではなく、たぶん手慰み、口慰みとして。
やがてアオは、人参率の上がった皿に嫌気が差したのか、勢いよく立ち上がって言った。
「賢い紫苑。もうあたしの言いたいことがわかったでしょう? あたしはね、月の光をいっぱいに浴びたものが食べたい!」
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