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天兎 2
ばたついた週末を終え月曜日を迎える。その朝、目が覚めるとまたアオがベッドの中にいた。
「おいお前! なんでこっちにくるんだ! 窓際で寝るって言っただろ!」
「月が沈んだあとの窓際なんて、ただ寒いだけじゃない! あんただって嬉しいくせに!」
「うっ……れしいかどうかは別にして、ほんとびっくりするからやめろよ……」
起き抜けに突然、ベッドでアオを見るのは心臓に悪い。兎の姿なら割と冷静に対処できるが、人の姿だった日にはもう、赤くなる顔を抑えるだけで精一杯だ。
何せこいつは、寝るときには素っ裸なのだ。もちろん何度も服を着用するように言ったのだが、こいつはどうやら寝相が悪いらしく、睡眠時に、兎に人に姿を変える。するともう、服など脱げてしまって意味がない。
そしてアオが俺のベッドに潜るときは、狙っているかのように、だいたい人の姿をしていた。そんな朝はしばらく、アオの肌の柔らかさが脳裏から離れなくて煩悶した。
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