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「お待ちください。あの、おそらく人違いかと。この方は、あなた方が思っているような人ではありません」
「は? 何言ってんだ。こいつは間違いなくあの宮東だろ。君こそ知ってんの? こいつ、君みたいな子が気にするような奴じゃないよ? 喧嘩ばっかクソほど強え、とんでもない不良! もはや人間じゃない、化物だぜ!?」
すると他の連中もそれに続いて言う。
「ま、それでもさ。こっちもやむをえない事情とか、ほら、色々あってね?」
「んで、事情ついでに、俺らがこういう化物不良を退治してやろうって話よ。こんなのにフラフラ街歩かれたら、みんな迷惑じゃん?」
「……化物かどうかはともかく、不良はあなた方も同じでは?」
その月見里の一言に、またも連中は動きを止める。一瞬きょとんとして、何を言われたのかわかっていないような表情をしていた。しかし数秒後、再び頭が回り始めたのか
「あ? んだとこの女」
という脅し文句とともに距離を詰めた。同時に拳が振り上げられる。
一方の月見里は月見里で「すみません。つい口が……」みたいな顔で固まっていた。
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