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恒星間移民船TR505は302年と117日の航海を終え、間もなく目的地ケプラー1649cに到着する。
129年前に発生した小惑星衝突事故により船内の環境システムが破損し、船内時間の経過がシームレスに行われなくなった。
しかし船内で世代交代を繰り返す人類の適応力の前には、ささいな問題にすぎない。
むしろ、仮想窓の景色が青空から月夜に切り替わるのが夕食開始の合図として定着した。
今、人類はケプラー1649cの大地を踏みしめ、移住後初の記念すべき大晩餐会を行おうとしている。
しかし、青空は次第にオレンジ色に染まりゆくものの、なかなか夜が訪れない。
ようやく空が暗くなった頃には、用意した料理はすっかり冷めてしまった。
スピーチを用意していたTR505の船長はカンカンだ。
「一体いつから夜なんだ! メシが食えないじゃないか!」
〈完〉
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