クマの人形

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クマの人形

私はアイ、幼稚園生。 私はもっと小さい頃から、何処へ行ってもクマの人形とずっと一緒にいる。 今は黒く汚れてしまったけれど、元は白いクマの「ベア」。 お母さんがあまりにベアのことを汚いから一度捨てようとしたけれど、 私は凄く嫌がっていたら、お母さんは捨てるのを諦めた。 私は人間の友達は居ないけれど、 私とベアはいつまでも一緒なのだ。 あるとき、何時も通り外にお母さんとベアと一緒に出て行った。 今日は公園でいっぱい遊ぶのだ。 ベアと一緒に滑り台を滑ったり、 ブランコに一緒に乗ったり、 いっぱい一緒に遊んだのだ。 いつの間にかベアはどこかにいなくなった。 お母さんと一緒に公園を隅々まで探したけれど、 やっぱり見つけられなくて そのうちお母さんが「遅くなっちゃうから帰ろう?。」と言い出した。 ベアが何処にもいないのに。 ベアは家族なのに。 どうしてお母さんは、そんなことが言えるのだろうか。 私は駄々をこねたけれど、お母さんには勝てなくて泣きながら家に帰った。 家でも私は凄く泣いていたけれど、 夜ごはんに大好物のオムライスをお母さんが作ってくれた。 泣きながらオムライスは食べたけれど、美味しくて 帰ってきたお父さんにも泣きながら、ベアがいなくなったことを伝えて いつの間にか私は眠っていた。 夢でベアが出てきた。 私と同じ身長のベアといっぱい夢の中で遊んだ。 ベアが「そろそろお別れの時間だね。」と言い出した。 私は駄々をこねたけれど、ベアは、ベアは・・・・ 「いっぱい遊んでくれてありがとう。アイちゃんの人形で嬉しかったよ。けれどお別れじゃないんだ。いっぱい人間の友達も作って、時々ボクのことを思い出してね。アイちゃんは一人じゃないよ。」 そう言って消えていった。 朝、起きるとベアは居なかったけれど私は寂しくなかった。 私はアイ、小学生。 学校で友達をいっぱい作った。 時々ベアのこと考えるけれど、一緒に遊んだ日々を思い出す。 私は寂しくはない。
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