プライア

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少年と青年の間(はざま)にある、 なんとも形容しがたいなまめかし さが瞳に宿っている。 若々しく、瑞々(みずみず)しく、 優美で、趣(おもむき)があり、艶 (つや)っぽい… 新鮮さと未熟さがハーモニーを奏 (かな)で…若い男性の持つ、至上の 官能が目の前にある。 健は文字通り生唾を呑み込んだ。 だが、というべきか、なのに… 「ああ、もうっ!」 十真が声をあげた。 相手(パートナー)のが機能してな い。 全くではないが、セミクルード (半生)状態だ。 「ったく、これだからバイは… もったいぶる…」 「十真、もったいぶってる わけじゃないんだって。俺、 もう歳(とし)なの。昔は 勢いだけでやって来れたけど。 そうそう拵(こしら)えきれんて。 そろそろ真剣勝負はスルー さして…」 いくら好きでも、身内や愛玩動物 (ペット)に対しては勃(た)たない。 おまけに、お互い、年若い恋人が できたんだった。 「おまえのことは好きだ。十真。 ハニーとでもスウィートハート とでも言ってやれる」 だが、眷愛(けんあい 目をかける・ 可愛がる)と、熱愛(心の底から愛 する)は違うし、ロマンスとラブ も違う。 もはやスウェル(膨張)は期待でき ないのか? 「しょうがないな。こっち来てみ。 サポートしてやる」 健はCDプレーヤーを左手で操作し、 ボサノバのボリュームを少し上げ てから右の掌に唾を落とし、十真 の背後に回った。 肩越しに左手で十真の口を塞ぎ、 みごとな男根(ファロス) を持つ、 美貌の相方(パートナー)のスポッ トに指を差し入れた。
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