プライア

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「14歳…」 「げっ! そりゃ犯罪だな。 今度は地裁に俺が健を迎えに 行くことになるかも」 「ああ。なにもできん。 どうにもならん…」 「リーク(意図的に秘密を漏らす) のお返しってわけでもないが、 俺の方は16だよ。高1。 君と煮たり焼いたり…違う、 似たり寄ったりか。ああ、俺、 この夏で20歳(ハタチ)って… カンベンしてくれ」 「その16歳、おまえの地元 フォロワー(とりまき)だろ? そのうち尻尾振って擦り寄って 来るさ 。骨でも投げとけ」 「これが、さっぱり。あいつ、 犬じゃない。種が違う」 「猫型?」 「野生馬ってとこか」 「馬繋(つな)がり。おまえにだけ 言うが、名門の御令息だよ、 俺の恋人(シェリー) は」 「馬継 英臣(まつぎ ひでおみ) 会長の御曹司(おんぞうし)は 30代だろうが?」 「息子の芳臣(よしおみ)じゃない。 孫だ」 「うあ! 馬継 春臣 (まつぎ はるおみ) か?! A boy of gentle birth. (深窓の令息) やっぱ、ショタだ 健。馴れ初(そ)めを聞かせろよ」 「いずれ…」 「見初められたか?」 「見初めた」 「俺の方は新来者(ニューカマー) だよ。南方 一馬 (みなかた かずま)」 「南方 …一馬? まて、後輩かも しれん。公立高校の」 「あ、かも。でも、君と面識は ないね。世代が違う」 「ま、だいたい察しはつくよ。 A boy of wild birth. (野生の少年)…」 「しかし、馬継 春臣ね。 また、プレシャスな。 綺麗な子だよね。 あの子、サラブレッドてか、 イメージはユニコーンだね」 「十真、やっぱ詩人になれ」 「だから、それで食えりゃ、 喜んでなるさ。それより小腹 すいた。健 スイーツ食べない? 俺チョコレートケーキセット。 付き合え。 オフロ イオ(俺が奢る)」 「何語だ?」 「伊語」 「ジェラート位なら…」
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