理解不能

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理解不能

「性癖暴露とは理解できんな」  そう言い呆れる橘の表情にうっとりしていると隙を突かれ耳元でパチンッと指を鳴らされ、驚き耳を塞ぐ。 「あ゛ぁ゛何すんだよ」  山彦のように耳に残る音。消えろと頭を振ると橘が小バカにするよう笑った。 「俺が殺しよりも人の反応を楽しんでいることぐらい分かってるくせに。感化されて俺みたいなったら良いのになぁ。ほら、みたいに暴力振るって追放されろ、バーカ」  わざと橘の勘に触れるような言葉を吐くも「誰がなるか。アホ」と受け流され、舌打ちで返すと橘がスッと近くのカフェを指差す。 「は? いやいや、橘刑事。俺とアンタにはだって」  行きたくない、と駄々込めるも腕を組まれ連れて行かれる。二人席に腰掛け、気まずそうに向き合う。メニューを取るも取り上げられ、店員を呼んでは「コーヒーで良いか」と此方の意見すら聞いてくれない。 「ゲッ……マジ?」 「俺を侮辱した罰だ。道連れにしてやる」  電子タバコを咥え、フゥ……と煙を吐きかけられ噎せる。ムッと睨むと「お前も感化されやすいならにでもなったらどうだ。煙なんざ嫌じゃなくなる」と言われるもその気になれなかった。 「が堕ちればいいのに」 「お前なんかに操られてたまるか」  橘を愛しそうな表情で見つめると彼の冷たい視線に笑いが込み上げ顔を覆う。 「アハハハッヤバイ。そんな目で俺を見ないでがそんな顔するから殺したくなるんだよ」 「落ち着け。朝から【】で殺してるから混乱してるんだろ」 「今日に限ったことじゃない。混乱? ナニソレ、オイシイノ。俺はいつだってだよ」
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