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入学式当日。出雲は学校からもらった紺色のブレザーの制服を着ていた。ブレザーの左胸の辺りには校章と刺繍がしてあり、現実に国立中央魔法学校高等部に入学するのだと実感が湧いてきていた。
「ついに入学の日が来た! あの女の子はどんな風に成長しているのかなー。 俺の姿を見て嫌わないといいなー」
出雲は容姿に自信がないので、どんな風に思われるのか不安であった。不安に思いながら学生鞄を右手で掴みながらノートや筆箱を入れていく。出雲は部屋を出る前に当時であった女の子の姿を思い出していた。
「栗色の肩まである優しい印象を感じた髪と、ピンク色の宝石をイメージさせるような綺麗な目をしていたな。 それに目鼻立ちがハッキリしている可愛い系の顔をしていて、当時は緊張しすぎて初めはほぼ話せなかったなー」
出雲がそう思い返していると、楓がそろそろ時間よと教えてくれた。出雲は今行くよと返すと、小走りで階段を下りて一階に移動をした。
「お兄ちゃん遅いよー。 先に行っちゃうよ?」
「待ってくれ! 今行くから!」
出雲が慌てて階段を降りると、奏が制服である紺色のセーラー服を着ながら玄関の前で待っていた。出雲の姿を見た奏は行こうと笑顔で話しかけた。
「お待たせ! じゃ、行こうな!」
「うん! お兄ちゃんは憧れの学校だね! 昔から言ってた女の人に会えるの楽しみ?」
奏が駅への道を歩きながら、横を歩く出雲に話しかけた。すると、出雲は凄い楽しみだよと返答した。
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