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「あの時の面接官の人だ……俺の担任の先生になるのか」
出雲が二人の担任教師を見ていると、龍雅がこれからの説明を始めた。
「これから体育館で入学式を行い、次に教科書の受け渡しを行います。 そして、最後にオリエンテーションを行って本日は終わりです」
「では、体育館に行きましょう。 右側の列から順に外に出てください」
出雲達は藍の指示に従って廊下に出て行く。そして、先頭を歩く龍雅の後ろをクラスメイト全員がついていく。本校舎の玄関口から出ると、草木の良い匂いが出雲の鼻をくすぐる。
「この空気好きだなー。 あっ、右側の庭園の側に体育館っぽいのがある! 他のクラスの人達が入っているから、あそこが体育館だな」
出雲が体育館を見ると、自身の通っていた中学校にもあったような普通の長方形の体育館であった。出雲達は体育館に入ると、新入生分の椅子が並べられていた。その椅子はクラスごとに分けられており、立て看板によって椅子が指示されていた。
「俺達のクラスの椅子はあそこか。 座るか」
出雲は一年一組と書かれている看板の前に置かれている椅子に座る。出席番号順なので、出雲は中盤の辺りの席に座る。
「一年生だけでも結構な生徒数だなー。 あっ、照明が消えていく」
出雲が周囲を見渡しながら緊張をしていると、体育館の前方の舞台にある演台の上に置かれているマイクに向けて、舞台の端から初老の老人がスーツ姿で歩いてきた。
「みなさん、ご入学おめでとうございます。 私は校長の不破征十郎と申します。 みなさんはこれから多くの楽しいことや辛いこともあると思いますが、精一杯頑張って未来に進んでください。 私達教師陣はその未来への歩みを支えていきます」
校長の話を聞いた出雲は、この学校に入ってよかったと感じていた。属性魔法が使えない中ではこれからの学生生活において不安しかないが、それでもまだ可能性はあると思うしかない。
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