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淡い白色はこれまでに報告された事例がなく、どの属性を扱えるのか特定が出来なかった。それ故に出雲は魔法の才能がないと言われ続けていた。しかしそれでも基礎魔法などは扱えるために、全くないという訳ではないと示し続けている。
「属性が判明していないだけで魔法は扱えるから! 現に試験に受かってるからね!」
出雲は奏の頭を右手で撫でながら言うと、奏が撫で過ぎと言いながら出雲の右手を払った。
「お兄ちゃんは受かったのはいいけど、お母さん達は記念受験な感じでいたようだけど、どう説明するの?」
「それは……普通に受かったから行くと言うわ! それしかない!」
「そうだね。 お母さん達は喜んでくれるよ! お兄ちゃんが魔法学校に通うのは不安だけど、前から言ってた約束ってやつを果たすためだもんね!」
奏が言った約束とは、十年前に公園で出会った少女との約束のことである。この国一番の魔法学校で再開をしようという約束のことであり、少女の名前も知らなかったが、会えば分かるだろうと出雲は考えていた。
「うん! 約束を果たすため、またあの女の子に会うために俺は国立中央魔法学校に今まで頑張ってきたんだ。 奏も夢を叶えるために頑張ってね」
「当然よ! 私も夢は沢山あるからね。 お兄ちゃんに負けないくらい大きな夢よ」
「そうだね。 奏はいつも夢のために頑張ってるみたいだし、いつかどんな夢か教えてな」
「叶ったら教えてあげる!」
出雲と奏は笑い合って楽しく話していた。その会話を数分間続けていると、出雲が親に伝えてくると言って部屋を出て行く。
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