2 夢じゃなかった

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「……こっちは重役室なので静かにね」  結局、万久里にはやし立てられた私は、仕方なしに社内を彼に案内していた。 「あと何かあったら下の階の総務部に行けば色々教えてくれるから……」 「りょーかい」  二郎さんはそう言うと、フラフラとオフィスと逆方向に歩いていく。 「ちょ、ちょっと神野さん、そっちじゃ……」 「いいのいいの、休憩~」 「……はぁ」  私は彼が迷子にでもなったら責任押し付けられるのは私だ。私は仕方なしに、とぼとぼと彼の後に続いた。
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