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明け方の神様
夜が朝に塗り潰されていくような薄色の空を見ていると、無性に走り出したくなる。
そのたび笑ってしまう。走る気なんて、こんなときくらいしかもう起きない。
勝利の神様は、私には微笑まなかった。
靭帯を派手に傷めた私が大舞台に立つことは、もうないだろう。
ねぇ神様。
そこにいるなら、いつかまた、私が空を切って走るところを見ていて。
……神様なんていないと頭では分かっているのに、私はこれからも心のどこかで、明け方の空に、あなたに、こうして浅はかな期待を寄せてしまうのだろう。
今日のように早く目が覚めた朝には、なおのこと。
〈了〉
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