憂愁

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憂愁

秋のほろ苦い香りのなかにどこか懐かしいコロンの匂いが漂う 子供たちは目を輝かせ、落ちてくる葉を懸命につかまえようとする この子たちはいつまでもこの香りを覚えているだろうか 紅葉の朱は次第に色濃くなり、 一瞬、上気したと思ったら  華々しく散った 日の丸に託された思いに涙する人が どれだけいるだろう 先人は晩秋の国を憂う
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