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第0話
誰か、助けてください。
今、どういう状況かというと
俺の部屋に遊びに来ている昔から
可愛がっていた年下幼なじみに襲われています。
「りゅうちゃん♪」
こいつ・・・見た目は天使のように愛らしいのに力が強い。
そりゃそうだ。俺と同じ男なんだから。
「とっとにかく。少し落ち着け佑月!!」
「そんなこと言われても僕、落ち着いてるよ。りゅうちゃん」
いや、まったく落ち着いているように俺には見えないんだけど。
「なら、離してくれないか?腕、痛いんだ。」
佑月は、分かったと言い掴んでいた俺の腕を離した。
その瞬間に俺は、佑月から距離をとる。
「ねぇ、どうしてそんなに離れたところで座るの?」
どうしてって危険だからだよ。お前の近くが!!
「佑月、お前なあ。悪ふざけが過ぎるぞ。今回」
「・・・。悪ふざけ?りゅうちゃんにはそう見えた?」
あれ・・・いつもと違うふわふわした気配がない代わりになんというか・・・怖いんだが。
「えっと・・・違うのか?」
「りゅうちゃん。僕、昔から言ってたよね。」
「何を?」
嫌な予感がするのは俺の気のせいで合ってほしい。
「何をって、もうわかってるくせに~♪」
誰かこの天使のように可愛らしい笑顔を浮かべる悪魔から俺を助けてください!!誰でもいいので本当に
何度でもいうけど・・・。
「りゅうちゃん、好きだよ・・・」
やめろ・・・。
佑月の顔が俺に近づく
唇が触れそうなほどの距離で佑月は俺の耳元で
「キス・・・されると思った?」
と悪魔の微笑みを浮かべ囁いた。
今、俺の目の前にいるのは本当にあの佑月なのだろうか?
「・・・。りゅうちゃん、今日のところはこれで僕、帰るね。でも・・・明日から覚悟しといて。」
俺が何か言う前に佑月はそう言い鞄を持つと部屋を出ていった。
俺は未だに頭の中が困惑していた。
同じ単語を繰り返しぐらいしかできない。
佑月が俺のこと好き?
覚悟ってなんの?
どういう状況だ・・・これは?
しばらくして理解できたのは、
幼なじみから告白されたということだった。
明日からどんな表情(かお)して会えばいいんだよ・・・!
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