■ 公 園

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■ 公 園

男(M) 「腹が立つ程、鮮やかな夕焼け。気の遠くなる程美しい夕焼け。だけど撮りたいとは思わない。公園のベンチでうなだれる僕は、全身うっとおしいオレンジに染まっている。地面には情けない男の不格好に引き延ばされた影が延びている。」 男 「…終わった…」 男(M) 「全部が終わった気がする。後は沈むだけ。この夕日は、本当に明日、朝日になって登るのだろうか。僕の不格好な影の中で、見当違いな場所に咲いた花がしおれている。もう何色だったか分からない。時が廻れればまた自分の色で咲くのだろうか。」 女 「下向いたら、また上を向けばいいんだよ。」 男 「え?…。」   周囲をみるが、彼女の姿はない。 男 「(自分に呆れて笑う)ふ…」 男(M) 「自分は明日の朝日をどんな気持ちで見るのだろう。美しいと、思うだろうか…。もうすっかり忘れてしまったけど、朝日のオレンジはもう少し優しくて、もう少し悲しいのかもしれない。」 《幕》
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