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第ニ章〜人格〜
時間ギリギリで着くと急いでクラスへ行き席に着いた。
「よっ!春人、今日もギリギリかよ」と話し掛けて来たのは昔からの幼馴染で親友の【葉山草太(ハヤマソウタ)】だった。
「おはよ!草太」と言うと春人はカバンの中から牛乳を取り出し飲み始めた。
「牛乳、持って来たの?!」と冬人が聞くと「うん…朝飲めなかったし」と春人は言った。それを見て草太は春人に「お前って、ミルク系の飲み物好きだな」と言うと春人は嬉しそうな顔を歯ながら「うん!」と答えた。
その時だった、「おーい、ホームルーム始めるぞ」と担任が教室へ入ってきた。
春人は、急いで牛乳を飲み干した。
ホームルームが始まってすぐの事、春人は今朝の彼女が気になった。
(あの子可愛かった…)と思っていると冬人がそれに気が付き春人に「何、今朝の子に惚れたか?」と聞いた。
春人は、少し焦りながら「はぁ?何言ってんの!そんな事無い…出会った事無いのに」と言うと冬人は「でも…あの子」と冬人が言いかけた時だった、「神木…おい!神木…」と春人を誰かが呼ぶ声がした。
「は、はい!」と言い春人はサッと立ち上がると担任に「しっかり聞いてろ!もういい…座れ」と言われ「はい…」お言い席についた時だった「また冬人さんと話してたのか?周りに気づかれるなよ?」と草太は言った。
春人は周りと少し違う所がある、それは春人の中に生まれた【人格】の存在、春人は【冬人】と言うもう一つの人格を持っている。
あれは十年前の事だった、春人の両親が事故で亡くなった時から春人の中に冬人が生まれた。
最初は声が聞こえ気持ち悪いと思っていたが時が過ぎていくと話が出来る様になった。
しかし、周りや大人達は、冬人と話している春人を見て(誰も居ないのに一人で話している変な子)と言う目をして不気味に思い、誰一人春人に近づこうとしなかった。
春人は、自分がそんな目で見られるのが大嫌いだった。
その時だった、いつも隣に居てくれたのが幼馴染の草太だった。
春人は、(もしかしたら草太にも嫌われる)と思っていたが、意を決して冬人の事を相談してみると、草太は嫌うどころか「良いな〜自分の中に友達が居るなんて」と春人を羨ましがった。それからと言う事、何かある事に二人はお互いを助け合った。
春人にとって草太は苦楽を共にする仲間であり、親友、兄弟の様な存在になった。
ホームルームも終わり時間は流れ、その日の昼、草太に「春人、売店行こうぜ」と誘われ二人で売店へ向かった。
売店に着くと草太が春人に「何食べる?」と聞くと春人は「決まってないや」と言うと草太は笑いながら「俺も」と言った。
春人は迷ったがいつもの定番【タマゴロール】と【やきそばパン】と【牛乳】を買った。
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