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定時に仕事を終えケーキ屋さんへ行く。みよは苺が好きなため苺が多めのケーキを買い帰宅する。
「パパおかえりー!」娘のみよが玄関で待っていた。「ただいま」と穏やかに言うとみよはニコニコした表情を顔に貼り付けたまま三柴五郎について歩く。
「何だみよ」
「パパ、今日は何の日でしょー?」
ケーキの入った箱をダイニングテーブルの上に置き、スーツを脱いで少し間を開けてからとびきりの笑顔を向け
「みよ、5歳の誕生日おめでとう!!ほら!ケーキだ!みよが大好きなイチゴが沢山入ってるぞー!」
ケーキを切るためキッチンから包丁を取り出し三等分にしようとしたその時、持っていた包丁が滑り指を切ってしまった。思わず痛っ!と言うとみよが心配そうに「パパ大丈夫?」と聞いてきたので大丈夫だと返す。
「もう、ドジね」
テーブルの上に皿を並べていた妻が三柴五郎から包丁を受け取りケーキを切った。
絆創膏を取りに寝室へ行き絆創膏を貼ったついでにみよへのプレゼントを持ちリビングへ戻る。
ケーキを食べ終えたので再びおめでとうと言いプレゼントを渡すとみよは笑顔を浮かべ箱を開ける。
「わぁー!クマのぬいぐるみだー!」と喜んだ後、どこかぼんやりとした目で言った。
「パパ……あんまり欲を出さないでね……」
ぼんやりとしていた目が元に戻り再び笑顔を浮かべる。
三柴五郎はみよの様子を不思議に思ったが気を取り直して愛娘の誕生日を過ごした。
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