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2、蝶結び
自室の全身鏡の前で服を捲りお腹周りを見て足花優里は不服そうな顔をする。捲っていた手を服から離し携帯電話を手に取りダイエットサイトを開き独り言を投稿した。
『お腹周り綺麗にしたい……。このへその近くの両端にある出っ張ってる骨と平行にに腹筋が来ないと』
小学生の頃お菓子やジャンクフードを食べて太くなった事を友達と思っていた子に馬鹿にされ。中学に上がり運動部に入ったからか自然と標準体型になったにも関わらず、小学生時代の事をネタに馬鹿にされ。その人とは高校が別になったため馬鹿にされる事はなくなったが……
高校生になり、同じクラスの華やかな子は皆細身で綺麗だと思い顔は整形しないと変えることは出来ないが、体型なら自分が頑張れば変えられると思い足花優里はダイエットを始めたのであった。
最初、食事の量も体重も減ったり増えたりを繰り返していた。そんな時ネットに転がっている情報を隈なく見た足花優里はカロリー制限ダイエットを始めた。
その結果高校二年の三学期になる頃には標準よりやや細めの体型になった。周りの人達は口々に「優里痩せたねー!」と言いその言葉は嬉しかった。
しばらくして食べる量を減らしていった頃、「それだけで足りる?」「これあげる!」と言われ初めはその言葉に対して深く考えずにいられた。
が、しかし、食べる量、一日の総摂取カロリーを1500から1200と減らしていき安定してきた頃に「細いね」などの事を言わたときは『私が細い!?まだお腹の肉が一センチもつまめるのに、もっと細くならなきゃ』
そう考えダイエットの熱は増していく。
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