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そんなある時、ネットで都市伝説のサイトを見ていた足花優里は一つの記事が目に止まった。
<願いが叶うぬいぐるみ……どこかにある熊のぬいぐるみ。そのぬいぐるみに願い事を言ってから赤いリボンを結ぶと願いが叶う。熊のぬいぐるみなら何でもいいわけではない。そのぬいぐるみは不思議な魅力を放っているのでその手に鋭い人なら分かる物です>
熊のぬいぐるみと聞いて思い当たる子が一人いた。隣のクラスの三柴みよだ。体育の時間が合同になった時に彼女が大きな熊のぬいぐるみが出てきて無言で見てくる夢をよく見ると話していたのを聞いた事を。
さっそく次の日の放課後、彼女を呼び出した。
「えっと、隣のクラスの足花さんだっけ?」
三柴みよはあまり話した事がない人から呼び出されたため足花優里の出方を伺っていた。
「前に夢の話をしているのが聞こえて、関係ないと思うんだけど願いが叶うぬいぐるみって聞いた事ない?」
夢と願いが叶うぬいぐるみがどう関係しているのかしばし考え「ごめん、分からない」と言った。彼女なら何か知っているのではないかと僅かではあるが期待してたからがっかりする。
その日の帰りたまには違う道で帰ろうと思い社宅が並ぶ道を歩いていると、ピーと短く高い音繰り返し頭に響きどこから聞こえるのだろうと周囲を見渡す。すると社宅の端の草むらに何かが落ちているのが見えた。
その何かが無性に気になり、近寄って見るとそれは少し毛ば立っている熊のぬいぐるみだった。足花優里はそのぬいぐるみを見て都市伝説の事を思い拾い上げ手で払ってから持っていた袋に入れ持ち帰った。
家に帰り袋から出したぬいぐるみを見つめる。
見つめてから袋に戻し机の横に置いた。そして携帯でダイエットサイトを開きつぶやく。
『都市伝説って本当にあるのかな?作り話かなやっぱり…』
しばらくし、上手くいっていたダイエットも停滞期に入ってしまった。
減らない体重とお腹の肉が嫌になり自暴自棄になったりし気付けば都市伝説の事など忘れていた。
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