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「もう茜なんて知らないっ!帰ろっ、銀」 「う、うん……」 「おう、帰れ帰れ」 桃花は拗ねたのか茜からそっぽを向き、銀の手を取り走り出した。鳥居を抜けコンクリートの階段を下りていく。 「も、桃ちゃん……っ、危ない!」 「へ…………っ?」 階段に枝が転がっていたのか。それを見事に踏み桃花は階段を踏み外した。 ーー落ちる……っ! 恐くて目をつむる。が。背中に衝撃が走る。振り返ると桃花の背に階段がある。 「銀…………っ?!」 桃花をかばってか。銀が宙に投げ出されていた。手を伸ばしても届かない。足をひねったのか跳ぶこともできない。 ーーやだ。やだやだやだっ! 願いが叶うなんて信じてない。でもーー。 「神様……お願い…………銀を助けてよ」 何でもするから……。
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