落し物

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「良かった。ちょうど届けに来たんです」 「あ、あ、ありがとう…ございます」 「いえ…それじゃあ僕はここで…」 「待って、ください…お礼したいです」 お礼?お金も持っていないように見えるが、何をするのだろうか。 「何か、奢らせてください…」 「え、いや…いいよ」 彼女は、僕が断っても意地でもどこかへ連れていく気だ。 「この後、予定はありますか?」 「いや…特にないです」 そういうことで、僕は彼女の住むアパートの前へやって来た。 「準備してきますので、3分だけ…ください」 「あ、はい」
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