27

1/2
125人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ

27

「アラタ、こっち向いて?」 何サイズだか知らないがバカでかいベッドの端っこで、俺は初めてシュウさんに背を向けている。 「本のこと、まだ怒ってるの?」 「怒ってないです。」 「じゃぁこっち向いてよ。」 「……です…」 「なに?」 「恥ずかしいんです!」 そうだ、俺は今猛烈に恥ずかしい。 「だから、本のこと?」 「ちがっ、それも、そうですけど、ミズキと飲んだ時、俺酔っ払って……その……」 「あー……ミズキくんから何か聞いたのか。」 「……!」 「何も、恥ずかしがることなんて無いんじゃない?」 「俺ばっかりシュウさんにみっともない姿見せて。」 「みっともないなんて。可愛かったよ。」 「うそだ。」 「嘘じゃないさ。まぁでも……」 「なんですか?」 「アラタは俺のいないとこでお酒飲んじゃ駄目だな。可愛すぎるから。」 「可愛くない。」 「可愛いよ。」 「もう!可愛く無いですってば!」 思わず振り向くと、シュウさんとバチっと目が合ってしまった。 「やっとこっち向いてくれた。ほら、おいで。アラタがそんなに遠くにいたら、俺眠れないよ。」
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!