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その日、規則正しい北川秋が、朝食の時間になっても起きてこなかった。 10時まで待って、寝室のドアをノックした。 コンコン 「北川さん?起きてます?」 返事がない。 コンコン 「北川さん?入りますよ?」 そっと寝室に入るも、ベッドは空っぽだった。 もしやと思って書斎へ行くと、北川秋は机の上に突っ伏していた。 「北川さん??大丈夫ですか??」 「え…あぁ岩崎くんか。おはよぉ。」 あれ?なんか雰囲気違う?寝起きだからかな。 「ここで寝ちゃってたんですか?朝ごはん…食べます?」 「えぇ、食べたくない。」 なんだか子供みたいだ。 「食べたくないって、何か口に入れた方がいいですよ。」 「えーじゃぁ岩崎くんが食べさせてくれたら食べる。」 ??? 「ほんとに言ってます…?」 北川秋がとろんとした上目遣いで俺を見上げる。 「ほんとだよ。」
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