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ブルッと寒気がして目が覚めると、窓の外はすっかり暗くなっていた。 北川秋は俺の手を握り締めたまま、まだ眠っている。 俺はそっと寝室から出ると、キッチンに向かった。 「……よし。」 それからしばらくして、北川秋がのそのそとキッチンにやってきた。 まだ、ぼんやりしているようだ。 「北川さん、少し、食べられます?」 「うん……。」 おとなしくダイニングチェアに座る北川秋は幼い子供みたいだ。 俺はコト、と丼を置いた。 「…うどん?」 「はい。すみません、俺、これしか作れなくて。」 北川秋は「いただきます。」と小さな声で言うと、少しずつ食べ始めた。 少しずつ、それこそうどんを1本ずつちゅるちゅると食べる。 野菜、うんと柔らかく煮たつもりだったけど、大丈夫かな。 気がつくと北川秋はポロポロと涙を流していた。 泣きながら、長い時間かかってうどんを平らげると、北川秋はまた小さな声で「ごちそうさま」と言って立ち上がり、仕事場へ戻って行った。
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