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料理はなかなか上達しないけど「お米を炊くのはアラタの方が上手」と言ってくれるので、ごはんを炊くのは俺の担当だ。
北川秋は朝から仕込んでおいた鶏肉をフライパンで焼いて、俺は隣で簡単なサラダを作る。
冷蔵庫には買ってきてくれたチーズケーキ。
北川秋を好きになりさえしなければ、この生活を続けられる。
それでいい。
楽しい食事の後に、「チーズケーキにはこれがいいかな」といって選んだ茶葉で、北川秋が紅茶をいれてくれる。
ダージリン、アッサム、アールグレイ、ディンブラ、ニルギリ……
俺は今まで生きてきて紅茶の葉っぱの名前なんてひとつも知らなかったけれど、ここに来てからたくさん教わった。
北川秋は俺にいろんなことを教えてくれるし、俺ももっと知りたいと思う。
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