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ずるずると男を引きずって寝室まで来ると、両腕で抱え上げてなんとかベッドの上に横たえた。
ハァハァと息が上がる。汗びっしょりだ。
男は心地良さそうな寝息を立てている。
体調が悪いわけではなさそうだな。
額の汗を手で拭い、改めて男の顔を見た。
綺麗な顔。
かけられたままの黒縁の眼鏡をそっと外す。
閉じられていても綺麗な形だと分かる目のライン。睫毛も長い。
スッと通った鼻筋。唇は薄くてセクシーだ。
思わず見惚れていると
男が「んんん……」と唸ったので慌ててベッドから離れようとした、その時
??!!
ぬっと伸びてきた両手に首元から抱き竦められ、抵抗する間も無くベッドの中に引きずり込まれてしまった。
「ちょっあのっ」
パニックになる俺を気にも留めず、男は俺に足まで絡めてくる。
「待ってください!俺そういうことはちょっと…!!」
ジタバタと暴れても、全然逃げられない。
どうすんだこれ!?
と、頭の上からスゥスゥと寝息が聞こえてきた。
寝てる……?
男は俺を抱き枕の様にガッチリとホールドしたままぐぅぐぅと寝ているのだった。
「まじかよ……。」
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