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目覚めると、また、知らない天井だった。
「あ、岩崎さん、起きました?分かります?佐々木です。」
佐々木さん……?
「あの、俺……」
「岩崎さん倒れて病院に運ばれたんです。覚えてますか?」
「グス……ッ……ウッ…」
涙が溢れる。
「岩崎さん!?どっか痛みます?看護師さん呼びましょうか??」
「ちがっ…俺……またシュウさんに迷惑かけて、、もうやだ。力になりたいのに、役に立ちたいのに、迷惑ばっかり……っ」
「岩崎さん。それは違いますよ。」
佐々木さんがそっと涙を拭ってくれながら言った。
「北川先生は心配はしてましたけど、迷惑なんて絶対に思ってないですよ。」
ふふ。と思い出す様に笑う。
「先日、岩崎さんがミズキと飲んでいて酔っ払ってしまったことがあったでしょう?あの時、ミズキは僕に『アラタが1人じゃ帰れなそうだから今日は俺の家に泊まらせる』って連絡してきたんですよ。ただ、無断で外泊したら北川さんが心配するかもしれないから、僕から連絡いれてくれって。」
「…?でもそれじゃぁどうして迎えに……」
「それが、僕が電話したら先生慌てちゃって、どうしても迎えにいく!どこの店だ??って。何かガシャン!って割れる音までしてましたよ。たぶん、焦って何か落としたんじゃ無いかな。僕もうびっくりしちゃって。」
シュウさんが……?
「とにかく岩崎さん、北川先生は岩崎さんのことすごく大切に思ってるはずです。迷惑なんて、絶対無いですよ。」
「ぅゔ…ぅえっ……シュウさん…っ」
嗚咽を上げて泣く背中をさすってくれる佐々木さんの手があったかくて、俺は余計に泣けてきた。
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