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あの日。 「とにかくさぁ、めちゃめちゃ良い男なんだよ。シュウさんは。すげーかっこよくてかわいい。大好き。」 「ちょっとアラタ飲みすぎじゃね?大丈夫?」 「大丈夫大丈夫。大丈夫じゃないのはシュウさんだよ…顔面がやばい。目が合っただけで俺、変な声でそうになるくらい。肌もすげぇ綺麗。あとさ、意外と冗談とか言うの。やばくね?しかもさ、料理が上手いんだ。」 「はいはい、それももう何回も聞いたよ。」 「そう?じゃ、これは知らないだろ。シュウさん意外と寝相悪いの。いっつも俺、潰されて、でもそれもしあわせなんだよな…いいにおいがして…あったかくて…」 「ん?ちょっと待てよ、アラタ一緒に寝てんの?」 「え?俺そんなこと言った?そんなことよりミズキ、シュウさんの写真見る?たまたま映り込んだだけなのに超かっこいいの」 「いやそれさっきも見たって。なぁ、北川秋と一緒に寝てんの?」 「ええ、ミズキなんで知ってるの?さては覗いたな?」 「覗かねぇよ。え……それってつきあってるってこと?」 「は!?そんなわけないじゃん、シュウさんはそういうことのために俺といるわけじゃないんだ、仕事のためだよ。しごと……俺は好きだけど、シュウさんは俺のことなんてなんとも思ってない、俺だけ、好きで…うっうぅ…」 「ちょっ泣くなよ。あぁもうアラタ、今日は帰ろ。つーかこれじゃ無理だな、俺んち泊まってけよ。」 「駄目だよ、シュウさんに帰るって言っちゃった。」 「でも無理だろこのまま帰るの。連絡入れとけば大丈夫だよ。」 「やだ帰る。でも、俺のこんな姿見られたら嫌われるかな…うっううう」 「あーもう、いいから今日アラタは俺んち泊まりな。ちょっと俺連絡入れるから待っとけよ、いいな?」 「シュウさん…」 「……もしもしリン?あのさ、今アラタと呑んでるんだけど……」
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