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ジオラマ【diorama】
①明治中期に流行した見世物の一。遠近法を用いた長大な背景の前に小道具を配し、照明を施したものを窓からのぞき見るもの。実際の光景を見ているような感じを楽しむ。幻視画。ディオラマ。
②撮影や展示などに用いる立体模型。
——大辞林 第三版 より
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俺は乗客のいなくなった鈍行列車の揺れに辟易しながら窓の外を眺めていた。かれこれ1時間以上竹林の中を走っているので、もはやすべてに飽きていた。
この路線は大半が無人駅だった。まるでバスのように運賃を車内の箱に支払うということには驚いた。田舎とは、そういうものなのか。
スマートフォンに入る電波も悪いから暇を潰すことは諦めた。
使い古した黒い肩掛け鞄から紙の資料を取り出す。そんなものスマートフォンで確認するから必要ないと主張したけれど、今となっては上司から無理やり押しつけられてよかった。
大衆雑誌のライターとなって1年。
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