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次の日。
隼は、彦星川愁人という名前で、Vちゅうばーをはじめた。
記念すべき初配信。
私はスマホで、彼の配信が始まるのを待った。
大手の企業からサポートされてデビューするだけに、かなり視聴者数も多い。男性のキャラクターも人気の絵師が手がけている。デザインされた立ち絵はかなりイケメン。これは女子に人気が出そうだ。
画面に彦星川愁人が映されると、途端にコメントが寄せられる。
だいたいが『待ってましたー』とか『こんばんはー』とかの挨拶で、画面の向こうで隼は笑っているみたいだった。
「あーいやー。緊張するー。はじめましてー。ちょっと、音声の方は、大丈夫ですかねえ?大きくないですか?……おけ?……あーOKみたいですねー。あはははは」
隼はだいぶあがっているみたい。なんだか、こっちまで緊張してきた。
私も初の時を思い出す。
「それでは、はじめます!『祝!彦星川愁人初配信!みんなのマシュマロ美味しくいただいちゃうぞ!』はじめまーーす。よろしくお願いしまーす。あはははは」
私は予め用意していたコメントの送信マークを押した。
『Syun君ーーあ・い・し・て・る!』
配信にはタイムラグがある。それと、きっと緊張してて、コメントに目を向ける余裕はあまりないと思うけど、きっと気づくはずだ。
「え?!ちょっと?え?待って?なんで?」
気づいた!
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