明日の教示者

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『ある日を境に男はなにもかもに興味を失ったように消極的になり、どこからか拾ってきた幼い娘を放し飼いの犬のように眺めるだけの日々が続いた。  男の上司らはその豹変ぶりに呆れたが、実績があり人の使い方も相応に心得ている男にそこそこの地位を与えて使うことにした。  やらせてみると意外なことに人を教え諭す才覚のあった男は、下部組織の運営だけでなく新入りの教育者として組織に貢献する。  教育されたものの中には、いずれ非公式ながら娘も含まれていった。  十数年後、男は娘を組織の仕事をする前に叩き出した。  アウトローとして育った娘に今更なにを思ったのか、公式な情報は存在しない』
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