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神様が何かを一生懸命探していました。
それを見かけた天使は、滅多にない様子だったので心配になり尋ねました。
「神様、どうしたのです?」
「無いのじゃ……」
「……何がですか?」
天使の中に嫌な予感が走りました。
何しろ神様は万能です。
その神様に見つけられない物があるなんて……。
「天罰じゃ」
「え?」
「小さい奴なんじゃがな。天罰をどっかに落っことしてしまったらしいのじゃ」
「小さいとはいえ天罰です。無害の人に当たっては……」
「その点は心配あるまい。天罰は無害な人には直接当たらんようになっておる」
「ああ、それなら……」
天使はホッと胸を撫で下ろしました。
ですが、神様の顔色は優れません。
「まだ何か心配事が?」
「ワシの意思で落としたわけでは無い天罰が、どんな動きをするのか予想もつかんのじゃ」
「でも小さいんでしょう? 」
「確かにな。当たっても精々ちょっと痛いと言うレベルじゃ。大事にはならんじゃろうがな……」
「とはいえ、気を付けてくださいよ? 例えかすり傷程度であっても、天からの罰なのですから。きちんと神様には制御していただきませんと……」
「分かっとる分かっとる。すまなんだな。今後は気を付けるよ」
神様は小さく笑い、天使の頭を撫でてやりました。
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