パンプキン・シェルター *10月*

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 悪魔は同情しながら、真っ二つに切った空の間に消えた。  残り半分は昼の時間。夜に侵食されないように、僕はカボチャを被って、広がる景色を太陽の色に染めて見る。  新天地でとっくの昔、僕はのたれ死んでいた。  天国にも地獄にも行けないから、僕の魂は自由だ。  ずっと、ジーンと遊んだ草原にいられる。僕はずっとここにいる。  🎃  暫くして、ジーンが息を引き取った。  その頃から、毎年10月の晦日には、行き損なった魂が己をジャック・オ・ランタンに封じ込めて、生まれた地を行き交う。  ハロウィン祭で賑わう人々は、思い思いに死者に扮して街を歩いた。  その中には、海の向こうから故郷の地に戻る霊魂たちも紛れ込んでいるが、空っぽの衣装が歩いているなど、誰も気付かない。  ジャックはカボチャの群れに交ざっていく。心はいつでもÉire(アイルランド)を彷徨う。  ジーンと結婚の約束をした草原に、ジャック・オ・ランタンの行進が侵攻するのを、空が見ていた。  死者を弔う十字架が一面に広がるーーかつてジャガイモがたくさん収穫されたーー大地に、オレンジ色が広がる。  夜を拒むカボチャの群れが、空の下半分を染めていた。  1949年、僕の生まれた場所が「Names of the Irish state(アイルランド共和国)」の名前で独立できたのは、それよりもう少しあとの話だ。      🎃 ハッピーハロウィーン! (*ハロウィン起源とアイルランド近代史)
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