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「あっでも、かみさまのはなしをきいたときに、おれいをするようにききました。どうしましょう」
礼と言われてもな。その小さな手にできるものも思い浮かばぬ。
『そもそもわしには欲しいものなどないし、そなたにできることもないだろう?』
なぜか、その言葉は俄然モモンガのやる気に火をつけたようだ。
小さな目にメラメラと闘志が燃え上がった。
「そこまでいわれると、ももんがのこけんにかかわります」
おお、難しい言葉を知っておるものだな。
妙に感心した。しかし、そもそもわしに欲しいものなどない。
『物を積めば願いが叶うと思われるのも不本意だ。不要なものを持ち込まれても迷惑である。用が済んだなら去るがよい』
「そうですか、たしかにかみさまですものね」
モモンガはそう言いながら、ひどく残念そうにとぼとぼと立ち去った。
その背にはなにやら哀愁すら漂っている。
願いはかなえたのに、解せぬ。
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